2016年10月28日金曜日

『関東PWSケアギバーズネットワーク主催 第5回公開講演会』

こんにちは。関東PWSケアギバーズネットワーク広報の井上です。

先日、9月18日(日)に当ネットワーク主催の第5回公開講演会が「プラダー・ウィリー症候群(PWS)の基礎知識と改正『障害者総合支援法』の概要について」と題し、横浜市健康福祉総合センターで行われました。当日は約60名の方に出席していただきました。

ネットワークの講演会のアンケートでよく見られる意見が「PWSの基礎を学びたい」というものです。この意見は講演の内容を問わずに寄せられます。ともすれば支援する側が混乱しがちなPWSの方と接するに当たって、何か足ががりのようなものがあればという支援者の皆さんの気持ちの表れなのではないかという気がします。

そこで今回、まずは日本医科大学先端医学研究所教授の南史朗先生に、PWSの方に関する基礎的なお話を、主に医学的な見地からしていただきました。「PWSはどんな病気ですか?」という素朴な疑問から、染色体の話、ホルモン治療の話など、非常に分かりやすく丁寧に話してくださいました。

まとめの「PWSに望まれるものは何か?」というところでは、「社会の理解」というワードが出てきましたが、そのためにもネットワークの活動がもっと広く知られるように頑張らなければならないなと思った次第です。

次に、「改正『障害者総合支援法』の概要について」と題して、平塚市役所福祉総務課の又村あおいさんにお話を伺いました。PWSだけでなく、障害者福祉全般に関わる法律のお話でしたが、ともすると難しい印象になる内容を非常に分かりやすく話してくださいました。

「障害者総合支援法3年後の見直しの背景について」の部分では、法律の「附帯決議」の重要性がよく分かりました。法律そのものももちろん重要ですが、その法律をどのように運用し、どのように発展させていくかは、実は附帯決議に書かれているんですね。

平成30年までに整備を目指している「地域生活支援拠点」についての部分では、既存事業所による機能分担タイプ、いわゆる面的整備が現実的だろうとのお話でしたが、単独型タイプの新潟県上越市「りとるらいふ」にも興味を持ちました。

「総合支援法の改正概要とポイントについて」で印象に残ったのは、意思決定支援ガイドラインの作成です。イギリスの意思決定能力法(MCA)から10年以上遅れてしまってはいるものの、やっと意思決定支援が法律にも反映されそうだということは、一歩前進ではないでしょうか。それから、介護保険の基準該当を適用してもらうには、当事者やその支援者が行政へ働きかけなければならないのだということも重要だと思いました。

南先生と又村さんのお話のあとの質疑応答でも、いろいろな質問が出ており、参加された方々の意識の高さを改めて感じさせられました。非常に有意義な講演会になったのではないかと思います。


※写真は左から、当ネットワーク運営委員長山田、又村あおい氏、副運営委員長榎。

※今回の講演会では、「NPO法人日本プラダー・ウィリー症候群協会」様と、「プラダー・ウィリー症候群児・者親の会 竹の子の会」様より後援を戴くことができました。両団体の皆
様、ありがとうございます。


【お知らせ】
12月18日(日)に東京、中野にて、支援者対象の講演会を企画しております。詳細はまたこのホームページでもご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。